EUのベラルーシに対する制裁—第5弾:移民の政治的利用(2021年12月)
2021年12月2日、欧州連合(EU)は、ルカシェンコ政権がEUの東部国境で意図的に移民危機を引き起こしていることに対し、5回目の制裁パッケージを採択した。
<h2>混合型移民危機</h2>
2021年夏以降、ベラルーシの国家機関および治安当局は、イラク、シリア、アフガニスタンなどから来た移民の渡航を体系的に支援し、その後、EU加盟国であるポーランド、リトアニア、ラトビアの国境へと向かわせるようになった。
EUの諜報機関、調査報道ジャーナリスト、国境当局が収集した証拠によると、以下のことが明らかになった:
<ul> <li>ベラルーシの国営旅行会社や航空会社が、ビザの到着時発給を含む旅行パッケージを移民に広告・販売していた</li> <li>ベラルーシの国境警備隊や軍関係者が、移民を国境通過地点へ実際に誘導し、場合によっては力ずくで国境を越えさせた</li> <li>移民は、ベラルーシ当局に脅迫され、不法入国を強要されたと報告している</li> <li>国営航空会社「ベラビア(Belavia)」は、中東都市からの運航を停止するよう求められても、引き続き運航を続けた</li> </ul>
EUはこれを正式に「ハイブリッド攻撃」と位置づけた。つまり、弱い立場の人々を意図的に地政学的武器として、EU加盟国に対して使用したということである。
<h2>指定された個人および団体</h2>
第5弾の制裁では、移民の政治的利用に関与した個人・団体を対象に、17名の個人と11団体がEUの制裁リストに追加された:
<ul> <li>ベラルーシ国境警備隊および移民当局の役人</li> <li>移民の便宜を図る旅行パッケージを企画した旅行会社</li> <li><strong>ベラビア航空</strong> — ベラルーシの国営航空会社 — 移民輸送への関与により指定</li> <li>一時滞在のための移民宿泊施設を提供したホテルや観光事業者</li> </ul>
累計の指定対象は、個人183名、団体26団体に達した。
<h2>指定基準の拡大</h2>
第5弾の制裁は、制裁対象の法的基準も正式に拡大し、「ルカシェンコ政権の活動を組織または支援し、EUの外部国境を不法に越境させることを容易にする者」を新たに含めるようになった。これにより、今後の同類の行為に対する指定の法的根拠が整った。
<h2>食品輸入措置</h2>
さらに、特定のベラルーシ産食品への輸入制限も拡大され、第4弾で対象となった産業・エネルギー分野に加えて、経済的圧力を広げた。