スイスのベラルーシに対する制裁——連邦評議会令(2020年~現在)
スイスは欧州連合(EU)に加盟していないものの、連邦評議会が禁輸法(EmbG)に基づいてベラルーシに対する独自の自主的制裁制度を維持している。スイスのベラルーシ制裁は、重大な人権侵害事案においてEUの制限措置と整合するというスイスの長年の政策を反映し、EUの措置を広く模倣しつつ、スイスの法的枠組みに応じて調整している。
<h2>法的根拠</h2>
スイスのベラルーシ制裁は、「ベラルーシに対する措置に関する政令」(SR 946.231.116.9)によって実施されている。これは連邦国際制裁法(禁輸法)に基づき連邦評議会が制定したものである。経済省(SECO)が制度の金融・経済面を担当し、外務省(FDFA)が外交面を監督している。
<h2>2020年10月——初期の整合</h2>
スイスは2020年10月、EUの初期制裁パッケージに合わせて初めてベラルーシ制裁を導入した。2020年8月の不正選挙およびその後の弾圧に責任を持つ当局者に対する渡航禁止と資産凍結が中心であった。
<h2>2021年8月——包括的経済措置</h2>
2021年8月11日、スイスは「ベラルーシに対する措置に関する政令」を大幅に改訂・拡大し、中央ヨーロッパ時間午後6時から発効した。拡大された措置には以下が含まれる:
<ul> <li><strong>輸出規制:</strong> インターネット・電話傍受機器の禁輸;軍事目的の二重用途物品の輸出禁止;たばこ生産・加工機器の禁輸</li> <li><strong>輸入規制:</strong> ベラルーシ産石油製品の禁輸;ベラルーシからの塩化カリウム(カリ肥料)の輸入禁止</li> <li><strong>金融規制:</strong> ベラルーシ政府および3大国有銀行による金融商品の発行・取引・引受の禁止;指定対象への貸付禁止;保険・再保険サービスの制限;国家航空航法サービス会社(Belaeronavigatsia)に対する金融制裁</li> </ul>
<h2>航空分野の措置</h2>
2021年5月のライアンエア便の強制着陸事件を受け、スイスはEU措置に倣い、ベラルーシ航空会社のスイス領空および空港への立ち入りを禁止する航空制裁を課した。
<h2>その後の更新</h2>
スイスは自国の国内立法プロセスを経ながら、EU措置と緊密に整合を保ちつつ、ベラルーシ制裁政令を複数回更新している。更新内容には以下が含まれる: <ul> <li>新たな個人および団体の指定</li> <li>セクター別貿易制限の延長</li> <li>金融セクターにおける追加措置</li> <li>二重用途物品・技術の輸出管理の拡大</li> </ul>
<h2>適用範囲</h2>
スイスのベラルーシ制裁は、スイス国内のすべての個人および団体に適用されるほか、海外で活動するスイス国民およびスイス拠点の企業にも適用される。SECOは指定された個人・団体の統合リストを公表し、スイスの金融機関や企業向けにコンプライアンス指針を提供している。
<h2>スイス外交政策における位置づけ</h2>
スイスがEUのベラルーシ制裁に整合した決定は、2022年2月のウクライナ侵攻後にEUのロシア制裁に整合した決定と同様、国家間紛争におけるスイスの伝統的な厳格な中立政策からの著しい逸脱を意味した。連邦評議会は、重大な人権侵害という事由を挙げ、中立性の考慮対象外と判断することで、これらの措置を正当化した。